長谷川明弘,飯森洋史 (2014)
神経性頻尿を伴う一事例
日本催眠医学心理学会第60回・日本臨床催眠学会第16回大会合同学術大会プログラム・抄録集,p.41:10月18日,東京・一橋大学一橋講堂.
- 概要:神経性頻尿には、薬物療法に加えて、リラクセーションや催眠療法によるメンタルリハーサル、他の心理療法の併用による有効例の報告がある一方で難治性の事例も多数指摘されている(飯田,1994)。
- 今回は、催眠療法により一定の効果を認めたが、十分な改善とは言えなかった為、更なる解決に向けて検討した事例を報告する。本事例を通じて神経性頻尿における催眠療法の適用法について検討した。
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神経性頻尿の発生メカニズムには対人恐怖との類似性が指摘されている(笠原・佐々木,1987)。本事例では頻尿の症状は心理的に構築した産物であることをClに自覚させた(#1~#6)。イメージで想起した頻尿の症状にとらわれるClから注意を逸らすことを狙って、現実場面での頻尿の出方を取り上げた(#7~#9)。今後は催眠によるイメージ場面と現実場面との「橋渡し」を念頭においた関わりを持つことで進展が生じることが期待された(#10)。