日本心理臨床学会第35回秋季大会
【自主シンポジウム】ブリーフセラピーの学びをどのように臨床現場で活かしていくのか?
日時:平成28(2016)年9月4日(日)13:00-15:00
場所:パシフィコ横浜 421会議室(定員54名)
日本心理臨床学会 第35回大会,論文集,p.628.
企画者/司会者/話題提供者/指定討論者:相模健人(愛媛大学)
話題提供者:増尾佐緒里(神戸赤十字病院心療内科)・石丸雅貴(アイクリニック)
指定討論者:長谷川明弘(東洋英和女学院大学)
- 企画趣旨:わが国にも1990年代半ばにブリーフセラピー(Brief Therapy)が本格的に紹介され、近年、大学院でもこのアプローチを専門的に教え、学ぶ機会が増えている。本シンポジウムではまず、どのようにブリーフセラピーを教えているのかを指導者側から簡単に発表する。
それを踏まえた上で、ブリーフセラピーを学んだ大学院生が修了後に、それぞれの現場でどのようにその知識や技法を活かしているのかについて経験年数5年、10年程度の臨床心理士が事例を元に発表を行う予定である。特に初心者の頃に遭遇した困難を乗り越えながら、そこから何を学び、自らの心理臨床家のキャリアにどう活かしていったかについて話してもらい、それに指導者側からさらにコメントを行うことでブリーフセラピーの学びがどのように深められていくのかを明らかにしたい。
指導者側として相模から大学院でのチームアプローチを用いた相談研修について紹介し、その指導のあり方について発表を行う。長谷川から臨場感を伴う研修・訓練や「知識・実践+哲学」の伝達の工夫をまず簡潔に発表する。
次いで経験年数5年の臨床心理士として石丸から解決志向ブリーフセラピーに関して、具体的な質問技法が示されており、面接の公式化が試みられていることで、初心者にとってどのようなメリットとデメリットがあるのか、経験年数10年の臨床心理士として増尾から、現場でチームとして関わる際に、ブリーフセラピーの知識や技法をどのように用い、それが実際どう活かされているのかを、成功・失敗談も含め発表を行う。
再度、相模から年数を経ることについての技法の変化、長谷川から事例について型から入り型を大切にしながら離れるプロセス「守・破・離」で修得する姿勢・態度の重要性を織り交ぜたコメントを行う。 このシンポジウムを元にブリーフセラピーの教育・訓練とその展開について、自由な討論を行い、ブリーフセラピーの学びを更に発展していくことができるよう願っている。
指定討論題目:ブリーフセラピーを伝えること-創意工夫を大切に-(ブリーフセラピーの学びをどのように臨床現場で活かしていくのか?)
指定討論概要:指定討論の役割の中で、知識・理論と技能に加えて哲学・態度をどのように伝えていくのかの重要性について指摘し、説明を行った。
指定討論:長谷川明弘(東洋英和女学院大学)
備考:本企画は、論文としてまとめられている