長谷川明弘,田中政春 (1998)
早期痴呆患者に対する外来通院精神療法
-家族カウンセリング、回想法、動作療法の試み-,
長寿科学総合研究平成9年度研究報告Vol.4老年病各論, pp.257-261.
研究課題:痴呆性疾患の生活機能維持のための訓練技法に関する研究
-初期症例の症状進行抑制を目標に-
主任研究者:林茂信 分担研究者:田中政春 研究協力者:長谷川明弘 分担研究者:川室優、金子満雄、近藤喜代太郎、寺尾心一、山田孝、山崎英樹、田伏薫、高松淳一、遠藤英俊、宇野正威
▶概要:外来通院している早期の認知症患者が日常生活の中で家族(介護者)の協力のもとに 本人に適したリハビリプログラムを実践できるよう支援した。このリハビリプログラムは本人の認知機能、生活状況・家族関係(介護者の関わり方)などを把握(査定)した上で、家族カウンセリング(家族療法)、回想法、動作療法(臨床動作法)の3つの心理学的介入法を組み合わせて患者ごとに作成された。
高齢者の状況と介護者の関わり方から、高齢者介護の指針を示した。
認知症がまだ軽度の場合、患者が関心を示す趣味や家事作業をリハビリの手段として用いた。やや進行した認知症の場合、家事、衣服、入浴などの具体的場面を取り上げて、適切な課題を与えつつ、家族が患者をうまく支えられるように促した。家族関係のパターンにより家族への働きかけの仕方も異なった。例えば、過干渉すぎる家族には、ゆっくりと見守る姿勢を促した。また患者から家族への攻撃がみられ、さらに家族側に当惑が見られた場合、家族側への心理的サポートが必要であった。
▶キーワード:リハビリテーション(リハビリ) プログラム 介護指針 家族カウンセリング(家族療法) 回想法 動作療法(臨床動作法)
備考:本論をまとめ直して書籍の分担執筆をしている。