長谷川明弘・鈴木義也・相模健人・高橋亜耶可・吉田京子・北村文昭 (2015)
ブリーフセラピーの養成・訓練にみられる「まじわり」~ブリーフセラピーを教える者と教わる者の対話~
ブリーフセラピーネットワーカー 第17号,pp14-26:ブリーフセラピーネットワークジャパン
2015年5月30日
- 概要:本論文は、ブリーフセラピーを教える側は何を教わる側に受け渡そうとするのが望ましいのか、教わる側は何を受け取るのかが望ましいのかを考えながら、新たな「ブリーフセラピー」の学びが構築していくことに繋がることを目的としている。
ブリーフセラピーを習得していく過程で、講義などを通じて学び手が知識を得ていく根底に、ブリーフセラピーに特有と考えられる「認識論」に注目することの重要性が挙げられました。様々な事象の中に潜んでいる同型性に注目しようとしてみると、あちらこちらに見出されて、新たな認識が生まれ、その認識の仕方が定着して、新たな活動が出来るようになっていくということが馴染むことになるともいえそうです。
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- ブリーフセラピーの養成・訓練の中では、師弟関係の中で知識や技能・技術に加えて「態度」の3点を伝えているようです。
- 養成・訓練の中の工夫としてビデオによって記録して、振り返りながら指導に活かせるという点が挙げられました。
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最後に、養成・訓練を経て専門職の質を上げることが大事な課題であることを再確認しました。これはブリーフセラピーの養成・訓練に限らない課題です。ブリーフセラピーを教える立場から質の向上に役立てられるのは、ブリーフセラピーの認識論が、他のアプローチを実践している方にも有用であることが学び手から話題になり、教え手がいっそう自覚して教える機会を提供する重要性が指摘されました。その上で、ブリーフセラピーの認識論に馴染み、こなれていく場を提供していくことになっていくようです。
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キーワード:ブリーフセラピー 養成 訓練 認識論 馴染むこと 知識・技能・技術+態度の伝達