長谷川明弘
「生きがい」研究の到達点と展開2023,
東洋英和女学院大学心理相談室紀要27巻, .pp.32-39.
2023年12月15日
▶本論文は、2000年以降の「生きがい」研究について2023年10月時点における到達点と思われることを備忘録として集約し、今後の生きがい研究の展開に活かせる形としてまとめておくことを目的とした。
▶神谷(1966)を参考にして生きがい対象と生きがい感に分けて概説論文を整理して、その測定に用いられる方法や尺度をまとめた。引用されていた文献の中で重要と思われる尺度に関する資料が載せてある。
▶2000年以降の生きがい研究の総説論文を検討対象として、生きがい対象と生きがい感を軸に整理し、さらに生きがいの測定の仕方の多様性や開発された測定尺度をまとめた。また2010年半ばから海外から注目されるようになった生きがいの特徴を含む生きがいベン図が表しているのは「生きがい」ではなく「働きがい」ではないかと指摘した。
▶今後の研究の展開として、類似概念と関連を比較したり、若年層から幅広い年代で調査をしたり、関連要因を検討したり、生存との関連を明確にしたり、地域別や国別の違いを明らかにしたり、生きがい対象の年齢を重ねていく過程での推移や世代による特徴を生きがい尺度や構造化された面接で明確にしたり、構造化面接の枠組みを例示した。
▶キーワード:生きがい(ikigai)、働きがい(worth in work/hatarakigai)、概説(review)