臨床心理学の扉を開く

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j0233臨床心理学を学ぶ(教育・発達心理学の基礎知識)

長谷川明弘 臨床心理学を学ぶ「その3」:発達心理学や教育心理学などの基礎知識-認知発達とライフサイクルに注目して-,2018, 東洋英和女学院大学心理相談室紀要21巻, p46-55. 2018年3月31日

  • 本論は、臨床心理学と発達心理学ならびに教育心理学との橋渡しや関連に着目して論を展開した。
  • 発達心理学と教育心理学は、重なる点が多いだけでなく、臨床心理学とも重複した領域を多く認め、ピアジェの認知発達理論ならびにエリクソン・E.H.の心理・社会的発達段階とライフサイクルを重点的に解説した。
  • またレイヴとウェンガーによる正統的周辺参加を取り上げて専門職の養成と関連する解説を行った。
  • 心理療法・カウンセリングのアプローチ・モデルにおいては、心理専門職が心理実践の中で出会うクライエントや文献などの知見を「同化」して取り込みつつも、新たなクライエントとの出会いや同一クライエントでも次の面接の機会を持った場合や文献での新たな知見に触れる度に専門職の中に内在化されている心理療法・カウンセリングのアプローチ・モデルを常に「調節」していく必要が出てくるとも言えよう。専門職の中で「調節」が無ければ、その心理療法・カウンセリングのアプローチ・モデルは、不変の真理や真実であるかのように取り扱われ、教典と化してしまう恐れがあることを指摘した。
  • 本論で紹介した正統的周辺参加については、公認心理師や臨床心理士を目指す学生が心理実習や心理実践実習、臨床心理基礎実習や臨床心理実習という科目の中で現場に出向いたおりに遭遇する学習の過程を説明していると考えられた。
  • 本論では、主に教育現場で遭遇する機会のある状態や症状(いじめ、不登校、発達障害など)について解説が出来ていない。なお医療現場で主に遭遇する機会の多い状態や症状については長谷川(2017)にまとめてある。どこかで教育現場のことはまとめるつもりである。
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