臨床心理学の扉を開く

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農村地域における生きがい

長谷川明弘, (2010) 農村地域在宅高齢者における「生きがい」と身体・心理状況、生活機能、生活習慣および社会活動性との関連,2010,Hearty(金沢工業大学心理科学研究所年報・金沢工業大学臨床心理センター報), 第6号,pp15-23,:金沢工業大学臨床心理センター 2010年3月31日

  • 概要:欧米のQOL概念では整理しきれない「生きがい」は、専門家の間では統一した定義づけがなされていない。本研究では、主観的幸福感を「生きがい」と類似の概念ととらえて議論を進める。 本研究の研究目的は、農村地域に居住する高齢者の「生きがい」の存在と身体的・心理的状況、生活機能および社会活動性との間で関連要因を明らかにすることである。 対象は2000年10月1日現在新潟県Y町に居住している65歳以上の住民で回答が得られた1,515名(男性602名,女性913名)である。 多重ロジスティック回帰分析の結果、以下の点が示された。男性の前期高齢者には生命に関わる疾患や入院・転倒経験が「生きがい」の存在と負の関連を有する可能性が示唆された。女性の前後期高齢者は近隣や友人との交友活動と正の関連を認めた。性に関係なくすべての世代において余暇活動ならびに知的能動性と正の関連を認めた。 各種自治体が事業を実施する中、「生きがい」を数値化して効果測定できる「生きがい」そのものを簡便に評価できる尺度開発ならびに「生きがい」の増進をねらった手法の開発も望まれる。
  • キーワード:生きがい、高齢者、関連要因、男女差
  • 備考:同様の分析手法による都市近郊地域での調査結果が論文となっており学術誌に掲載されている。 また本論文は、博士論文2章2節とほぼ同様の内容となっている。
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